SOUTH PARKの住人

1日1記事毎日更新!(という目標) 映画好きです。

映画レビュー「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー 」

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー 」(2018年)

★★★★☆

f:id:southparks:20180814182033j:image

アントマン&ワスプ 」の公開も間近に控え、9月にパッケージも出るので(配信ではもう販売中)感想を残しておきます。もうみんな言い倒してると思うので長くならないように簡潔に…。

 

 

※ネタバレあり

 

 

物語は「マイティ・ソー バトルロイヤル」のエンディングの直後から始まる。滅亡したアスガルドから脱出する宇宙船をサノスが強襲。インフィニティ・ストーンの1つ、パワーストーンの力でアスガルドの民は半分が殺戮され、船は崩壊しソーは宇宙に投げ出されてしまう。

ロキからスペースストーンを奪取したサノス軍は、その力を利用し地球のニューヨークに襲来。さらわれたドクター・ストレンジを追い、アイアンマンとスパイダーマンは宇宙へと飛び出す。

スペースストーンにより空間を自在に移動できるようになったサノスは、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの一行を翻弄し、リアリティストーンを手中に収め、娘のガモーラまで連れ去ってしまう。

ストーンの行方を知るガモーラを利用し、サノスはソウルストーンを奪取。サノスの手によりガモーラは殺害される。

ガモーラを殺されたことに激昂したスターロードは、アイアンマンたちの作戦を乱してしまい、ストーンを奪い返す画策は敢えなく失敗。ドクター・ストレンジの持つタイムストーンが奪われてしまう。

残りの1つを求め、サノスは再度地球へ襲来する。ストーンを持つヴィジョンを守るため、キャプテン・アメリカ率いるアベンジャーズたちはサノス軍と激しい戦闘を繰り広げる。しかし、5つのストーンを持つ圧倒的なサノスの力に全く太刀打ちできず、最後の手段としてヴィジョンを破壊するもタイムストーンにより時間を戻されてしまう。そうしてマインドストーンを手にしたサノスは、全宇宙の生物を半分にするという目的を達成する。

 

見てのとおり、サノスが新しい石を手に入れる→その新しい石を利用して次の石を奪う、というRPGばりのストーリーである。登場人物の中で、しっかりと内面が描かれているのもサノスだけであり、本来悪役であるキャラクターが主人公的ポジションに置かれているというのが本作の最も大きな特徴である。

 

ぴったり正確なのかどうかはわからないが、YouTubeにあるインフィニティ・ウォーにおける登場人物の出演時間を算出した動画が面白い。


Avengers Infinity War Characters Screen Time

これを見るに、5分未満のブラックウィドウまではほぼその他大勢枠と言える。6分のロケットからようやく主要人物と呼べるレベルだろう(ちゃんと単独のシーンが用意されているクラス)。最も長尺が割かれているのは誰かは言うまでもない。

 

「正義と悪は表裏一体で、ヒーローもヴィランも己が大義のために戦っていることに変わりはない」というわりかしベタなテーマに沿っているのだが、ここまで大規模かつ徹底的にやりきったものはあったろうか?

夢のコラボ+アクション作品としてめちゃくちゃ面白かったのはもちろんだが、それよりMCUが10年かけて積み上げたものをいとも簡単にぶっ壊す展開に驚愕し、感嘆した。

人気キャラを殺しまくる絶望のラスト、何億ドルもかけた大作とは思えない粛々としたエンドロール、「こんな人気シリーズでここまではやるまい」とみんな思ってるだろうからやってやろうぜ、という制作陣の意図にすっかりハマってびっくらこいてしまった。映画史上類を見ない壮大な挑戦であり、そしてそれが大成功したことに賛辞を贈りたい。MCUの製作を全作品手掛けているケヴィン・ファイギにはアカデミー名誉賞をもうあげてくれ、いらなそうだけど。(今作における"映画のお約束"の大破壊は、個人的に「劇場版魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語」に通ずるものがあった。それはまた今度別に取り上げます。)

 

映画の出来としては展開の強引すぎるところもあるし、前後編の2部作にしたからこそできる荒業(そして後編がまだ公開されていないからこその高評価)でもあると思うが、この10年かけたちゃぶ台返しに立ち会えたことは本当に貴重な体験をさせてもらえたと思うし、これまでずっとシリーズを追ってきて良かったなと思えた瞬間であった。

 

そろそろ来年公開の続編、アベンジャーズ第4作の情報も出てくる頃かとは思うが、その出来次第で、映画史がまた大きく塗り替えられることであろう。まだ公開されていない今のワクワクを大事にして、最大限に楽しみにさせていただきたいと思うこの頃である。