自分の中で面白い海外ドラマといえば『24-TWENTY FOUR-』がダントツである。
ぶっちゃけそれ以外の作品は色々観たけどほとんどハマることはできなかった。『プリズン・ブレイク』も『LOST』も途中で飽きちゃったし、『ソプラノズ』とか『ハウス・オブ・カード』とか『ウォーキング・デッド』ですら、序盤の展開の鈍重さに負けて続かなかった。（この流れで『THE OC』だけは最後まで観たなんて大きな声では言えないが）
まあおそらく、『24-TWENTY FOUR-』（以下『24』）は初めてハマった海外ドラマだというのが大きく、これからの初見だとシーズン1の3話くらいはかったるいし、続かなかったかもしれない（それでも5話くらいまで観たらもう止まんないよ）。しかしあの圧倒的なスピード感と大ドンデン返しの脚本の衝撃度はどの作品も超えられず、「まだ観てないなんて羨ましい」と言える作品といえば真っ先に出るのは『24』である。
ではなぜ『24』を観だしたかというところだが、自分が観始めたのはちょうどシーズン5がレンタル開始したころであった。それまではなんとなく名前だけ知ってるなーくらいで全然興味がなかった。ただ自分の興味を引いたのは、シーズン5がエミー賞で作品賞を受賞したという見出しである。エミー賞とはアメリカのドラマ、テレビ番組に贈られる賞、ドラマ版アカデミー賞のようなものである。
中身の薄いアクションドラマだろうくらいに思っていたら、まさかのエミー賞作品賞。しかもシーズン5に来て初受賞ときた。シーズン5まで面白いってことは本物だろ！と思って観始めたのが発端である。「シーズン5まで頑張って観てやろう」と意気込んで観始めたら、シーズン1からドハマりしたというところだ。
とまあそんな海外ドラマとの出会いで、それ以降はなかなかハマる作品が出てこなかったが、久々にハマれそうな作品に出会った。
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』である。
いや、今さらかよ
面白いなんてもうみんな知っとるわ！って誰もが思うだろうけど、本当に面白いんですもの。言わせてくださいよ。なんせ飽き性の自分でも観れてるんで。
「面白い面白いって言ってもねぇ、ハマるまでいくのは敷居が高いんでしょ？」って思ってたが、この作品はかなり敷居が低い方である。これから海外ドラマを始めるという人にも全然おすすめできる。（個人的には『24』もかなり敷居が低いと思うので観てほしいが）
全体的に80sのアメリカの雰囲気が漂っていて『スタンド・バイ・ミー』や『スーパー8』ライクなポスターからして、ジュブナイル系青春ドラマなのかなーくらいのあまりの予備知識の無さから見始めたのだが、結構なサスペンスホラーであった。舞台である田舎町は、いつペニー・ワイズが「こんにちは」してきてもおかしくないような感じである。ただ、終始ホラー演出でおどろおどろしいというわけでは全くなく、トーン的にはちょっと怖めの『世にも奇妙な物語』くらいである。
1人の少年の失踪から物語は動き出し、話が進むに連れ謎が謎を呼んでいく作りで、正体不明の"何者か"に立ち向かう人たちによる群像劇として進行していく。『ツインピークス』みたいな感じでしょ、って感じがするが、本作の良いところはやはりポスターの真ん中を飾っている子ども達である。
彼らは物語の中心にいて主人公であり、このドラマの敷居の低さと、自分が飽きずに観れているのはこの子どもたちのお陰である。大人が織り成すシリアスなドラマの中で、トボけたことを不意に言ったり、突然核心をついたり、ホラーテイストな中の良い中和剤になっている。更にその無垢な好奇心というものが物語の疾走感とこれまたリンクしており、話がダレないのも良いところ。（それでいて子どもが容赦なく巻き込まれていくというのはホラーとしては結構怖い）また群像劇ではあるが、登場人物はさほど多くなく、海外ドラマにありがちなキャラクターを覚えられないということはまず無いので、気軽に見れるのも良い点。
あと個人的に一番引きがあったのは、ウィノナ・ライダーが主演の１人で出演しているところである。ウィノナ・ライダーといえば『エイリアン４』のときの可愛さで一時かなり夢中だったので、本作でオバさん化しているのは結構ショッキングであった。ただ明らかに一人だけ放っているオーラが別格で、狂気染みた演技も貫禄がある。この魅せる力は流石というところだ。正直、今ならリプリー役をやらせられると思う。
しかしNetflixって未だに作品出しまくってて強い･･･しかもちゃんと面白いもんを出してくるのが凄い。賞レース関連もどんどんこの手の配信系からノミネートされ始めている。
この映画系のサブスクリプションサービスはディズニーの参入でさらに混沌としていくであろう。これに関してはまた別記事で。
