SOUTH PARKの住人

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『アベンジャーズ エンドゲーム』その① アッセンブルの描き方

※『アベンジャーズ エンドゲーム』のネタバレあり

 

アベンジャーズ エンドゲーム』を観てからまだ何も記事を書いてないのは、話したいトピックが多すぎて書ききれないからなのです。とりあえず複数の記事に分けて書いていこうと思った次第なのだが、初っ端から本作の中で気になった点を書き残す。

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まず第1回のトピックは、1作目と2作目を監督したジョス・ウェドンと、3作目と4作目を監督したルッソ兄弟のアメコミ映画の描き方の差について。

 

ルッソ兄弟はかなりのリアル志向での作劇法での画作りをしている。アメコミヒーローという非現実的な存在を、現実の世界にいかに自然に溶け込ませるかを徹底的に追究しているように思う。特に『キャプテン・アメリカ ウィンターソルジャー』では、ポリティカルサスペンスのストーリーの中で肉弾戦重視のアクションに寄っていて、キャプテン・アメリカという戦闘が地味めなキャラクターの魅力を最大限に生かしてくれていた。この作品により、「ビームとか雷撃とかモンスターとか登場しないんだ!面白いじゃん!」と、アメコミに対して偏見を持っていたかなり大勢の人々の目を覚まさせて唸らせたに違いない。

また『シビルウォー キャプテン・アメリカ』でも、アイアンマンやヴィジョン、スカーレット・ウィッチ等の超SFキャラが登場するが、こちらのシビルウォーの名の通りストーリーも人間同士の思想の激突に重きを置いており、極力ぶっとびアクションを抑えているように感じる(空港のシーンを除き) 。これはこれで魅力的であったし、違和感なく楽しめたことは間違いない。

 

が、気になったところとして最も大きかったのは、登場人物がアッセンブルする、キメカットである。

まずルッソ兄弟の作品の描き方。

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一方ジョス・ウェドンの描き方。f:id:southparks:20190504024106j:image


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贔屓目でなく、ヒーローたちの大集合アッセンブルシーンにおいては、ジョス・ウェドンの圧勝!コミックの見開きページのようなワクワク感。

一方ルッソ兄弟の描き方はエモーショナルさが少ない、スローを使ってもいいんだよもっと!1シーンにおける魅せ方に重きを置いてないんだよな、長回しも無いし。

ジョス・ウェドンの方は、ちゃんと全員が映ってないさわかりづらい感はあるが、これは画像ではわからないのである。奥行きのある映像に意味を持たせた空間表現だ。動きのある実写映画だから見せられる、「コミックから映画へ」の進化を最大限に感じられるアメコミ表現だ。このようにめまぐるしく人物とカメラが動くシーンは、2次元のコミックで描くのは不可能で、だからスクショでも収めきれない。こういう立体的なカットが欲しいんだ!!と思いながら、インフィニティウォーとエンドゲームを鑑賞していた。

特にエンドゲームでは全アベンジャーズの集団キメカットを非常に期待していたのだが、最高のシーン(アッセンブル)でもやっぱり横並び。女性ヒーロー大集合シーンも、綺麗に並んで歩き出すようなショットに。f:id:southparks:20190509194401j:image

いや、そうなんだけどそうじゃねえんだよなぁ…。凄い良い展開なのにな。

 

でもルッソ兄弟は個別のアクションシーンや、キャラ関係の構築の仕方はめちゃめちゃエモいのだ。シビルウォーの空港シーンの各キャラの1vs1の戦闘や、ラストのキャプテンvsアイアンマンなどは最高である。

ただ、集団シーンにかけてはジョス・ウェドンの凄さが逆に際立ったと思っている。てか、前作のワカンダ決戦も、今作の最終決戦も、同じような横並びで全員でダッシュするって、ちょっと芸が無くない?


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最終作なんだから、もっと観てるこっちが恥ずかしくなるくらいあざといショットを観たかったなー!と思った次第。映画史に残るような、目に焼き付いて離れないようなショットが無かったかなぁ。

 

1作目アベンジャーズでこ円陣のシーンを、全アベンジャーズ達で再現するくらいの場面が欲しかった。ルッソ兄弟ってほんとスローモーションを使わないのがなー。スロー好きなんですよ私。ジョン・ウー信奉者なので。

でも、エンドゲームのドラマパートや展開自体は最高でしたよ。キャラの関係性萌えを描き方が素晴らしい。次はそれについて書きます。


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