なんか堅い記事が続いているので、ここらで2019年劇場で観た映画レビューシリーズを消化していく。あんまり長くならないようにします(しんどいので)。
『マスカレード・ホテル』
(ネタバレなし)
東野圭吾の大ヒット小説を木村拓哉、長澤まさみのW主演で映画化。監督は『HERO』『本能寺ホテル』『プリンセス・トヨトミ』などで知られる鈴木雅之。
このメンツを見ればわかるように、(あっ察し)という感じですが、
「いつものフジテレビ映画」
でしたね。
今年の頭に観たので記憶は曖昧だけど、つまらなくはなかった。が、惹かれもしなかった。各キャラクターを好きなるほどのエピソードもなかったしな…。
主演2人にだけはわりとまだ時間は割かれているけど、それでも足りない。潜入捜査だって、主人公だとはいえ(キムタクだとはいえ)なんでこんなイケスカナイ奴が一番重要なフロント役?理由づけなさすぎる。
【上司からの突然の無茶ぶり→主人公「はぁ?何でオレがそんな役やんなきゃいけないんスか?」→それに対するまともなアンサー無し】
これもフジテレビ映画あるあるですね。『踊る大捜査線』の功罪かな…。まあ実際は英語が話せる帰国子女っていう設定があるのだけど、特に掘り下げはナシ。普通はそこ必要じゃないですかね。てか「アウトローで女性に悪態はつくけど実は物分りの良い柔軟な頭を持つ英語も堪能なキレ者刑事」って役のオファーを、したり顔で受けたであろうキムタクさんを想像するとしゃくに触る。
あとこれもフジテレビ映画らしく、金がかかってるけど安っぽい。オーケストラ(晩餐会みたいなステレオタイプなやつ)が常に流れ続けててさすがに耳障りだし、無意味にカメラが円を描いて回るのもやるならエキストラ指導ちゃんとやってからしてほしいし(みんな棒立ち)、謎の頭上からのショットが連発したり、空間を撮る手法ってこれで合ってるんですかね?余計に安いイメージビデオっぽい。
肝心な(はずの)ミステリー要素は、映像化いう点を生かしてそれなりのドンデン返しはあるものの、謎解き映画として良くできているとは言い難い。トリックがメタ的視点で見破れちゃうあたりもフジテレビ映画なのよね…。真面目に読み解こうとするのはちょっと馬鹿らしくなるが、まあ原作はきっと面白いのでしょうな。
結局のところ、いつもの木村拓哉、記憶に残らないゲストという、いつものフジテレビ映画でヒットするんだからこういうのが増えるよな。
ただ、貫禄の出てきた長澤まさみの安定感は流石だし、菜々緒のツンデレが見れるし、生瀬勝久のエピソードはちょっとグッときたので(弱者の気持ち)、決して全体が悪いわけではないとフォローしておきます。出演者が豪華なので地上波とかで観たらオトク感があるのではないでしょうか。
原作は面白いそうです。
続編の企画も動いてるんですかね。(関心ナシ)