SOUTH PARKの住人

1日1記事毎日更新!(という目標) 映画好きです。

【劇場限定】2019年ベスト10 5位~1位

パソコンからだと書くのが楽ですねマジで。キーボード万歳。続きです。

 

southparks.hatenablog.com

 

 

5位「クリード 炎の宿敵」


映画『クリード 炎の宿敵』特別映像

前作「クリード チャンプを継ぐ男」は私的2015年年間ベスト2位。この特大傑作の続編をどう仕上げるのか。監督の交代劇とかで不安が募りまくっていたが、そんな心配は杞憂に終わった。自分はいつも思うんだけど、やっぱり敵(ライバル)にもドラマが欲しいんだよ!敵の背景が描かれれば描かれるほど、因縁が深ければ深いほど最高だっていのはもう少年漫画の大原則なんですよね。

やはりドラゴ親子の魅力的なキャラクターとして実現できたことが、本作最大の勝利だろう。戦いというものは、どんな者にも傷跡を残す。それは勝者であっても、敗者であっても。それでも己の存在意義のため死闘を繰り広げる男たち。そんな戦いの結末を、人生の決着を、決して見届けずにはいられない。

 

4位「アリー/スター誕生」


映画『アリー/ スター誕生』予告【HD】2018年12月21日(金)公開

最近、苦労した主人公がラストに一発逆転して爽快!みたいな映画が多くて、辟易としている自分がいた。ハッピーエンドって、急に現実感が無くなるんだよな。現実にはハッピーエンドなんてそう簡単に起こりえないのに。

男なら愛する女性を守ってやりたい、引っ張ってやりたい、幸せにしてやりたいという夢を見るだろう。ジャックもそのために生きて、アリーと共にあろうとした。しかし人間は脆く弱い。それでも自分の弱さを認めて、生き続けることがどれだけ苦しいものか。敗者として再び立ち上がる勇気を持たない者は、何に救いを求めたらいいのだろう。自分が栄光を掴めないと気付くことが、どれだけ残酷なことか。かつて大きな夢を見たものほど、それはとてつもなく重くのしかかる。この映画はとにかく心に沁みすぎた。この物語を否定することなどできるはずがない。

アカデミー賞授賞式の「Shallow」の歌唱は、個人的に過去最高だった第80回の「Falling Slowly」の歌唱に匹敵する素晴らしいパフォーマンスだった。


Lady Gaga, Bradley Cooper - Shallow (From A Star Is Born/Live From The Oscars)

 

3位「ジョーカー」


映画『ジョーカー』本編ダンスシーン

予告編を見たときは、カメラワークや空撮の雰囲気からノーランからの影響が強くですぎていて、オリジナリティがちゃんと確立されているか心配だったが、杞憂だった。

ダークナイト』の頃からその節はあったが、今の時代、人々は「バットマン」より「ジョーカー」に共感する。建前だけの正義より、純粋な悪に惹かれてしまう。この現象は、正義と悪の関係性に皆疑念を抱いているに他ならない。アメリカが絶対正義だった時代は終わり、金持ちこそが幸福でいられる世界ですらなくなった。「バットマン」は空想の存在だが、「ジョーカー」はどこにでも存在する。人々は「秩序」より「混沌」を求めている。この事実は、本作が大ヒットし、大衆に支持されたことによって証明されてしまった。それが望ましい状況なのかどうかは分からないが、一つの作品が時代そのものを映し出すという現象こそが「映画」なのだなと感じさせられた。

 

2位「アリータ:バトル・エンジェル


原作で人気のモーターボールシーン登場!『アリータ:バトル・エンジェル』予告

 

ジェームス・キャメロンが『銃夢』を映画化するという初報を見たのはいつ頃だったろうか。自分の記憶が確かなら『アバター』の公開より前だった気がする。実写版「AKIRA」に並ぶ、永遠に完成されない映画だと思っていたが、生きている内に観れたことがまず嬉しい。そして、今の技術で映画化されたことも良かった。

とにかく最高に面白いSFアクション映画だった。俺はこういう映画を観たくて映画ファンになったんだ、ワクワクが詰まりに詰まっている。そして誰にでも薦めたい。続編を匂わす終わり方だが、それも味わいがあって良いんだよな。別に続編が実現しなくてもいい。物語が完全に完結しなくてもいい。「これからもアリータは戦い続ける」と予感させてくれるだけで、もう十分。己の勝手な想像だけで満たされちゃう映画って、名作の条件だと思います。

 

1位「天気の子」


映画『天気の子』後報

君の名は。」も年間ベストに入れなかったし、「言の葉の庭」に関してはむしろ嫌いいだし、新海誠に対してはそこまで信頼を寄せていなかったのだけど、本作は過去作にあったどこか斜に構えたオシャレPV感とか、「俺たちゃ普通のアニメと違うんだぜ」っていう妙な意識高い雰囲気とかをほとんど感じなかった。シンプルに熱かった!

決してスカっとする内容では全くないし、万人受けする内容ではないのもわかる。だが何が刺さったかというと、ここまで超一級の制作布陣で望みながら、監督が自らの作家性をフルに発揮いること。RADWIMPSという音楽家も追随していること。そして最高峰のクオリティでアニメーションが描かれていること。全ての要素が高い水準でぶつかりあい、調和していることだ。

こうなってくると、映像と音楽の洪水を浴びるだけで涙モノ。監督自身のワガママを創作に最大限に反映し実現する。これって宮崎駿のそれではないか。文学的なセンスや意志は細田守に、少年少女の熱い想いは新海誠へと受け継がれている。日本のアニメはまだまだ成長し続けていて、その底知れぬパワーは未だにそこらじゅうで世に解き放たれる時を待っているのだ。

 

天気の子 complete version (通常盤)

天気の子 complete version (通常盤)

  • アーティスト:RADWIMPS
  • 出版社/メーカー: Universal Music =music=
  • 発売日: 2019/11/27
  • メディア: CD
 

 

2019年は転勤とか色々合ってシネコン系列の映画しか観れなかったので、今年はミニシアターも攻めていきたいです。