SOUTH PARKの住人

1日1記事毎日更新!(という目標) 映画好きです。

日本の価値観の変化

駅でピアノを弾く人、不思議だ。

自分は初めてアメリカに行ったとき、見ず知らずの人がエレベーターのボタンを快く押してくれたり、いきなりカメラを向けてもポーズをキメてくれる懐の広い世界に非常に感銘を受けた。

日本では街を見渡しても、マスクをつけて顔を隠し、スマホを見て外界からの接触を遮断し、人が目の前で倒れてもスルーする。「ありがとう」も「すみません」もろくに言えない。これが現代の日本人の生態だと思っていた。

もちろんアメリカも日本もそれが全てではないことはわかっているが、やはり陽と陰の比率ははっきりと分かれているように感じる。

そんな中、最近大衆の門前でいきなりピアノを弾くことができる人が増えだした。目の前の人に「こんにちは」と言うより遥かに難易度の高い露出行為だ。正直信じがたかった。駅のホームを見渡しても30人中28人がスマホに目を落としているような、透明人間だらけの中で。

 

思うに今の日本人は、強い同調圧力によって抑圧されてしまっているが、本来は承認欲求は非常に強い。内気な島国精神とは裏腹に、SNSは不思議なほど盛んだ。逆に匿名のネット掲示板やコメント欄の書き込みなどでは、欧米と比較すると日本人はネガティブで冷めきっている内容が多く、成功者に対しても、斜に構えて冷めたコメントをするほうが支持を得やすい風潮がある。

でもそんな時代が長く続いた昨今、反動によるのかエンターテイメントの火は少しずつ大きくなってきているように思える。斜に構えたコメントをする奴より、実際に注目を浴びている人間の方が偉いという認識に変わりつつあるように感じる。匿名でいるより顔出しで支持される方が凄い。もはやYouTubeで顔出しが当たり前になった今、顔が出てるくらいで騒ぐやつはいなくなった。駅でピアノ弾いてるやつww とはもうならない。ピアノを弾いて喝采を浴びているエンターテイナーの方が格好いいのだ。荒削りであっても、演者の方が支持されるという風に価値観が変わっていっているのは非常に興味深い。

いいね!が多いやつが正義であるというのは、結局は多数派にまかれるという国民性であることに変わらない。それでも、一見陰気なサラリーマンが華麗にピアノを弾き、それを観た取り巻きが拍手をする姿は、何だか嬉しいし、頑張ろうという気にさせてくれる。例えしょうもないことでも、他人に対して何かを表現しようとしている人のことを支持したいと思う。


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  • 作者:未設定
  • 出版社/メーカー: ヤマハミュージックメディア
  • 発売日: 2020/01/26
  • メディア: 楽譜