「一生に一度は、映画館でジブリを。」
— 三鷹の森ジブリ美術館 (@GhibliML) 2020年6月18日
6月26日(金)より、全国372館の劇場で『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ゲド戦記』を上映します。詳細は、東宝シアターリストをご確認ください。https://t.co/wr038EAcim pic.twitter.com/vhUcOqAFN8
こんな大きな発表がされたのに、もはや不要論すら出てこないレベルに嫌われている『ゲド戦記』ではあるが、皆が忘れている良かった点もちゃんとあったことは掘り返しておきたい。総合的に駄作であることは国民的統一見解になりつつあるが、主題歌である『テルーの唄』はやはら素晴らしい。
もともと「曲は良い」という擁護意見は少なからずあったのに、歌詞が萩原朔太郎氏の『こころ』という詩から引用していたことがバレて、もはや全方位的にフォローしようのない作品として取り返しのつかない失墜の仕方をしたのだが、でもやっぱり『テルーの唄』は名曲だと思う。手嶌葵の声、本当にこれこそが天使の歌声と呼べるだろう。今更紹介とか野暮ったいことはしないけど、万が一この記事を読んで聴きたくなった人のために一応貼っておきますね。
でも駄作である。最後まで登場人物全員が何のために動いてるのか把握できないし、これほどに何のメタファーにもなってないドラゴンの使い方をしてる映画って他に無いと思いますしね。開始直後の海の描写で作画もヤバいって気づくし、岡田准一の声は絶望的にアニメの絵に溶け込んでないからその辺の空間から鳴ってるみたいに聴こえる。無駄に微グロな描写を入れ込んでトゲのある作風として仕上げたった感があるのも、単純に子どもに見せたくなくなるだけの有害マイナス要素にしか働いてない。正直『テルーの唄』が無かったらタオルでも眺めてた方がマシ。でも『テルーの唄』のためだけに劇場に足を運ぶ価値はありますよ。ぜひ映画館に行こう。