ドトールでのメニュー選びで死ぬほど逡巡した話。
最近、純喫茶風のドトールがあるんですよね。カウンター形式じゃなくてちゃんと席から注文するタイプの。
今日も案内された席に座り、メニューを手に取って勘案する。メニューをパラパラとめくってものの15秒後。候補は2つに絞られた。ハムレタスサンドイッチか、昔ながらのオムライスか。
値段的にはどちらも同等。カツサンドという選択肢もあるが、少々胃がもたれそうなのと、コーヒーとセットだと税込みで1000円を超えるのがキツい。これは選択肢から外す。あとは自分の体調の具合を一度省みながら、実際に食べている自分を脳内でシュミレートしてみる。どっちが今のコンディションからして満足度が高くなるのか。できるだけ後悔はしたくない。サンドイッチを頼んだ後、やっぱりオムライスにしておけば良かったとは思いたくない。
昔ながらのオムライスは超魅力的だが、いかんせんギャンブル要素が強い。なぜなら卵の中身、つまりチキンライスの具がわからないからだ。"昔ながら"というのはあくまでも主観だ。このメニューを考案した人の"昔ながら"の認識が俺とかけ離れている可能性もある。さらに自分はコーンが大の苦手である。もし具の中にコーンが入っていたら…。圧倒的絶望の底に叩き落される可能性すらある。そもそもチキンライスかどうかもわからない。バターライスという可能性すらある。そう、一般的な喫茶店レベルなら、ポムの樹のように中身の詳細をメニューに記載されていない。オムライスは博打…これが世の摂理である。
こんな邪念が浮かんだ時点でオムライスはやめておこう。全力でサンドイッチを楽しみたい。よし今日はハムレタスサンドイッチにしよう。注文ボタンを押す直前に、ふと気づいた。なんかサンドイッチ的なものを昨日も食べた気がする…。
昨日だったか一昨日だったか定かではないが、まだ自分の喉がサンドイッチを食べた感覚を覚えている。これは大きなマイナス要素だ。グルメは"久々に食べる美味しさ"という要素が+20点くらいを占めている。その期間が長ければ長いほどプラスに働くのだ。自分はオムライスはここ3ヶ月は確実に食べていない。これはでかい。ハムレタスサンドイッチはどれだけ頑張ってもMAX80点にしかならないのだ。昔ながらのオムライスは前述のコーン問題さえ除外すればかなりの強敵で、-20点のビハインドは大きすぎる。確かによくよく考えれば、サンドイッチの欲を満たすなら最悪パン屋さんに行けば良いのだ。だが昔ながらのオムライスはそうそうお目にかかれない。危ないところであった。注文前にこれに気づいた時点で今日の俺はついている。オムライスギャンブルにも勝てる気がする。そうしてテーブル上のCALLボタンを押した…。
その瞬間、グラサンマッチョスーツのキャラクターの言葉が脳に駆け巡った。オムライスは高カロリー・高脂質・高糖質の代表…そうテストステロンが言ってたような。
俺は今ダイエットしてるのでは無かったか？そうだ、そもそもそのために今日はやよい軒という選択肢を外してドトールに入ったんじゃないか。俺は一体何を考えていたんだ、何を惑わされていたのだ。メニューというのは末恐ろしい。魅力的なラインナップを前にして、さらに"昔ながらのオムライス"という魅惑の文字を見ただけで最も大切なことを忘れてしまっていた。
CALLを押しても店員が来るまでまだ10秒は時間がある。俺はもう一度メニューに目をやった。本当に、この選択は間違っていないか？本当にそんなにオムライスを食べたいのか？自分の今一番大事にしているものは何だ？
店員さんが来た。そうだ、やはり初志貫徹。俺が入った目的はローカロリー健康食。ハムレタスサンドイッチしかもうあり得ない。真っ直ぐ自分の言葉は曲げねぇ、それが俺の忍道だってばよ。そんな声も聴こえてきた。俺の選択は間違っていない！
店員さん「ご注文はお決まりでしょうか？」
俺「カツサンドください」
なぜかカツサンドセット1100円+サラダ165円(←免罪符)を注文してしまいましたとさ。
もちろんオムライスをも超える最大火力(カロリー)である。
満足度は高かったですよ( ´∀｀)
迷いに迷った挙げ句、なんとなくドラフト3位くらいのメニューを注文してしまう現象は何なんでしょうかね。なんで1位を避けてしまうのか？こういう性格してるので、SUBWAYみたいなカウンターで直接注文するスタイルの店で本当に食べたい物を頼めたことって一度も無い気がしますね。
別に失敗したっていいじゃないのよ。と反省した話でした。
