SOUTH PARKの住人

1日1記事毎日更新!(という目標) 映画好きです。

ポケモンの話題で動物愛護を持ち出すのやめろ

最近、ポケモンGOやら、名探偵ピカチュウやらで、ポケモン知名度が上がっていることは喜ばしいことなのだが、そもそもの原作ゲームである、

ポケットモンスター

を理解していない奴が多すぎる。

さらに気に食わないのは、ポケモンを戦わせるのは動物愛護の観点でどうなんだとか言い出す奴。「嫌がるポケモンを捕まえてどうするの?」「ボールに閉じ込めるなんて酷い」「戦わせるなんてかわいそう」とか、ネタで言ってたとしてもつまらんしアホかと。

まあスマホゲーのポケモンGOをやってる層と、原作のポケットモンスターをやってる層があまりに乖離しているのが要因であるのはわかるが、それにしても、「動物虐待ではないか」とかいい歳して言ってる奴は、自分が恐ろしいほどサムい発言してると気づけよな!

そもそも、『ポケットモンスター』はRPG(ロールプレイングゲーム)である。その中のポケモンというキャラクターは、冒険のお供としての味方であり、冒険に立ちはだかる敵である。戦闘手段であり、ライバルでもある。つまり発想としては、カブトムシ同士を戦わせた頃を想起させるような、少年心をくすぐるところを狙っているものである。それをいい大人が虐待だのどうこうさぁ、野暮ってぇにもほどがあるんでないですかね。まじで。f:id:southparks:20190614205049j:image

ただ、最近のポケモンはちょっと可哀相に見えるという意見もわからないでもない。

ゲームボーイ時代のポケモンは、戦いに倒れても粗いドット絵のキャラクターが電子音とともにズズズズと沈むだけであった。が、ハードの性能も上がってグラフィックもリアルになり、愛らしさもアニマル感もアップしたポケモンが、ダメージを受けて苦悶の表情を浮かべならバタッと倒れる姿は確かに残酷に見えるかもしれない。


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でもRPGなんだからしょーがねえっての!スライムにも同じこと言えんの?てかゲームフリーク側もそんな意見真に受けて作品の中で生命倫理とかに触れんでいいから!まあやり始めたのは『ミュウツーの逆襲』なんだけど。

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なんか『ポケットモンスターブラック/ホワイト』でも、ポケモンの命の意味を問うような展開に持っていっていたが、自分はこのノリは嫌いである。『ミュウツーの逆襲』でも、当時から「子ども向けアニメなのにこんな高尚な題材を取り上げるなんてすごい!」みたいな論がよく取り沙汰されていたが、その捉え方には昔から自分は懐疑的であった。

もちろん映画自体は面白く、作画クオリティも高い。シリアスさとコミカルさ、アクションとドラマのバランスが良く、ポケモン映画の傑作と言っても過言ではない。

 

確かに作品の内容は、人間のエゴによる生命の創造への警鐘、クローン動物問題への問いとも取れるものではあるが、これはあくまでもアニメポケモン世界でのファンタジーフィクション空間での社会問題である。現実世界に結びつけるほどの踏み込んだ内容ではないし、ミュウツーや他のポケモン達がそれら現実問題のメタファーになり得るほどリアリティある存在ではないからだ。そこに教義やモラル的な説得力を持たせようとすると、空想のキャラクターであるポケモンが、現実世界の動物へと近づいてしまい、本来のサイエンスフィクションとしての純な楽しみを削いでいく気がしてならない。

 

ファンタジーと社会問題のリンクは、本当にセンシティブな領域に踏み込むことになる上に、ヘタを打つとコンテンツの寿命を縮めかねない。的外れな批評家たちに言われるだけならまだしも、製作者側がそっちに寄っていくことは絶対に避けるべきである。