SOUTH PARKの住人

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邦画のポスターがどうしようもない理由を考える

『CUBE 一度入ったら、最後』について。

いや別にこの映画観てないし、邦題が酷いとかもうそんなのはどうでもよくてですね。言いたいのはポスターがあまりにもアレだという点。

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何でこんな動きが感じられない絵になるんでしょうかね。明らかに止まってるようにしか見えないです。もちろん止まって撮らざるを得ないのは仕方ないとはいえ、それでも"動"を感じさせる工夫をして欲しいじゃないですか、映画なんだから

でもみんな演技臭すぎて、記念撮影みたいに「はい撮りまーす」ってコールがかかってポーズをしたってのが丸分かりで、すげえチープに見える。しかも全員カメラ目線だから、余計に撮られてる人感が強い。

この手のソリッドシチュエーションホラーって没入感が全てじゃないですか。要はいかにリアリティを持たせるかだと思うのです。観客が「もし自分がこういう状況下に陥ったら…」って想像するから怖いわけで。でもこのポスターでは、顔芸とカメラ目線によってわざわざ「作り物感」が強調されてしまってるので、もう本編を観たとしても全部スタジオ撮影にしか見えないですよ。

 

そもそも元々の『CUBE』は低予算アイデア映画なわけなので、キャストってどうでもいいんですよ。素人が演じてもあの設定だったら面白い映画になるっていうのに、日本だとそうはいかない。あくまでも大手配給が手掛けるこの手の邦画は芸能人の顔を売るためのツールだから。そして大衆も、知ってる人が出てないと観に行かないのだから。

どんな傑作も、邦画に落とし込んだ時点でキャストを押さなくちゃいけなくなる。だからこんな雑誌の表紙みたいなポスターになるし、中身も期待できない。

 

ちなみにフォローすると、辛うじて一番手前の菅田将暉は"動"な感じの体勢をとっていて、なんとかしようという意思は感じられる…。

 

たぶん、邦画のポスターってもう20年以上こいつの呪縛から逃れられてないんですよ。踊る大捜査線』という呪縛から。

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間違いなくこれが諸悪の根源だと思ってるんですよね。まあ『踊る大捜査線』以前は邦画の暗黒期とまで言われてたし、復権のきっかけとなった偉大な作品であることは理解してます。しかも中身がコメディタッチなんで、こんなポスターでも作風とは違和感ないんですよ。

ただ、あまりに記録的な大ヒットをしたせいで、「踊るを踏襲して売れ!」ってどこの会社も全乗っかりしたんでしょうね。東宝やら松竹やら日本の大手配給会社が手掛けるポスターは、作品ジャンルに関わらず全部こんな感じになってしまった。本当に保守的な日本企業のダメなところって感じがしてゲンナリするのです。なんだかなぁ。