新鋭・上田慎一郎監督がメガホンをとったホラーコメディ「カメラを止めるな!」が8/3より全国拡大公開される。
https://eiga.com/news/20180725/4/
昨年の11月に新宿K’s cinemaで6日間先行上映され、口コミでの圧倒的高評価により連日完売。今年6月本格的に封切られ、待ちかねた映画ファンか殺到し、公開館が少ないことも相成って池袋シネマロサでは平日の朝からチケットを買うために行列が出来るという異例の特大ヒットとなっている。
自分も先月くらいからチラホラ名前を聞くようになり、7月に入っては映画レビューサイトでも圧倒的評価を得ているのを見掛けていたので、この拡大公開は素直に喜んでおります。(まだ観れてませんが…)
ただこの8/3という夏休み興行の真っ只中で、大手シネコンを中心に本作のような超インディーズ映画がねじ込まれるというのは異例。(1日にはインクレディブル・ファミリー、同日にはミッション:インポッシブル フォールアウトが公開)
今年の夏休み興行はどれもこれも50億は確実と言われていたメガヒット作が続々と連ねていたが、各社シネコンの予想を大きく下回っているようだ。
現に、先陣を切ったスターウォーズ最新作「ハン・ソロ」は前作から大きく興収を落とし、最終は20億を超えられるかどうか。(「レディ・プレイヤー1」と同程度)
前作が年間1位を記録した「ジュラシック・ワールド 炎の王国」も100億近く見込んでいたようだが、6~70億の着地となりそう。
細田守監督待望の新作「未来のミライ」も、前作から半減と勢いを落としており、2018年夏興行は不発続きという現状。
となるとなぜ「カメラを止めるな!」がこの時期にここまでの拡大公開を果たせたのかと言うと、度重なる新作の不発によって、映画館の席が相当余っていると見える。
しかも大体の配給会社はこの大作ラッシュを避けてスケジューリングしているので、公開作品があまり無い。(7/27も目ぼしい新作は「コード・ブルー」のみ)
こうなると、綺羅星の如く登場した本作を各社シネコンが見逃すはずがなく、ワークショップ発の超インディー映画がまさかの夏休み拡大公開という異例の結果になった。
アメリカではこのような低予算映画が口コミで拡大公開されることはわりとよくあるが(「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」や「パラノーマル・アクティビティ」など)、大手3社が箱を奪い合いガチガチにスケジュールを固めている日本ではかなり珍しい。本当に奇跡的なタイミングだったと言える。
これで、「仕事終わりじゃチケットが買えずに見れない…」、「そもそも東京でしかやってない…」、「これから地方巡業は始まるがどうせ満員になるんでしょ…?」と不安と悲しみの渦中にあった全国の映画ファンは大歓喜だ。
シネコン側もこの拡大公開で話題を集め、夏興行自体が活気づくことはほぼ確実で、この先も引っ張りだこになることは間違いない。(年末までのロングラン、公開館100館超え、興収15億くらいは見込めるレベルだと感じる)
様々な要素が噛み合って、久々に映画業界と観客側の求めるものが合致し、「カメラを止めるな!」が2018年平成最後の夏の救世主としてその名を映画史に刻むであろう、と予想いたします。
Keep Rolling (映画『カメラを止めるな!』主題歌) [feat. 山本真由美]
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