今や誰もが知っていて、未だにシリーズが続いているこの缶コーヒーBOSSのCM。トミー・リー・ジョーンズ本人が宇宙人役として登場し、初見のときはな度肝を抜かれた。海外の大物が日本のしょうもないCMに出るのは意外と珍しくはない(オリコカードのディカプリオとか、トヨタのジャン・レノとか、「セリーヌでイーオン」とか)が、ここまで息が長く続いているのは他に無いだろう。
このCMといえば、この吹き替えである。「この惑星の住人は~」という決まり文句で始まるこの声を聴くだけで、BOSSのCMだと大方の人がわかるだろう。
ちなみに2012年に、それまで声を当てられていた谷口節さんがお亡くなりになり、現在は菅生隆之さんが担当されている。(お二方とも過去に映画でトミー・リー・ジョーンズの声を当てておられた)
トミー・リー・ジョーンズといえば、ハリウッドを代表する偉人レベルの超名優であり、おそらく出演料も余裕で億を超えているだろう。なぜここまで日本のCMを贔屓にしてくれているかは本当に謎である。
このCM、実はラジオでも流れている。
ラジオでも同じ「この惑星の住人は~」から始まり、宇宙人ジョーンズが一人語りするのだ。インパクトも絶大である。
でもこれはラジオである。
もちろんトミー・リー・ジョーンズは一切出演していない。
吹替の菅生さんの声だけだ。
でも聴いている側はトミー・リー・ジョーンズの顔が浮かんでしまう。十分にテレビCMと同じ印象をラジオ聴取者に与えるのだ!
こうなってくるとトミー・リー・ジョーンズって一体って感じなのだが、まあ声だけで連想してしまうほど周知されるには彼の力が当然必要だっただろうし、今も実際にテレビのCMでは出演されているので、偉大であることには変わりない。
ただこのコスパの良さは凄いと思う。おそらくラジオCMは何百(何千?)分の1くらいの製作費だろう。もはや「この惑星の住人は」って文字だけで、宇宙人ジョーンズの顔が浮かんでくる。これはそもそものキャッチーなCMを作った製作者のセンスの高さもあるし、谷口さんから菅生さんへ変わっても印象が全く変わらない声の演技力ももちろんだし、契約をずっと続けてきた企業の努力の賜物だとも思う。
ラジオCMを聴くたびに、「成功のラインに乗ってんな~ほぇ~」と感心するばかりである。