『愛唄─約束のナクヒト─』
(ネタバレあり)
仕事の関係で観なくちゃいけなかったので観たやつ。これはなかなかイカレポンチな映画でしたね。
「キセキ─あの日のソビト─」に続くGReeeeNの楽曲を題材にしたフィクションドラマ。繋がりはたぶん何も無いけど、興味もないので観てません。
今作のストーリーを簡潔に言うと、余命わずかと宣告された主人公と余命わずかと宣告されたヒロインのW余命カップルの恋愛をヒューマンドラマ。
余命宣告され失意の中自殺寸前にまで陥った主人公が、病院で出逢った余命僅かなヒロインと恋に落ち、残りの人生を精一杯生きようと決意。二人で友達と食事をしたり、音楽を聴いたり、自転車デートしたりなどの擬似学生生活を体験しささやかな青春を取り戻していっていたら、無理がたたって病状が悪化しそのまま死ぬというストーリー。あまりのド直球さに愕然としてる間に映画が終わってました。余命の安売りここに極まる。
てかそもそもの話のコンセプトとして、男女2人とも余命僅かだから、感情移入する余地がどこにもないのが…。(やっぱりどちらかが余命僅かだから成立するものですよね…)
まあ個人的に、死にかけている娘をあちこち引きずり回しているガキ(主人公)をヒロインの両親がぶん殴るシーンには共感しましたけど、メインターゲットの中高生からしたらそこは焦点から外れてるだろうし、もしこの映画を本当に病気の方が観たことを考えたら病人の描き方が嘘くさすぎて配慮が無さすぎるような。その上、GReeeeNの詩にみな涙する世界観という高めの鑑賞ハードルが用意されているため、肌に合わない人はさぞかし合わないだろう。
率直に言うと『余命僅かな男女のラブストーリー』というセンスがもはや古臭い。今の中高生はこんな余命でゴリ押ししても泣かないと思うんだよな。むしろ今のさとり世代は馬鹿にしそうな内容じゃないですかね。
まあひねった点としては、序盤から主人公をサポートしていた同級生まで余命僅かだったという謎のドンデン返しが仕込まれてるところでしたが、それはそれは意味の無い酷いオチでした。そんなあちこちに余命僅かな奴らがいるのかよ。
しかもクライマックスで描かれる肝心な『愛唄』の歌唱シーンの歌唱力が酷いという、トータルしてぶっ飛びすぎて記憶もぶっ飛ぶようなドラッキーな映画だという印象です。(中毒性はありません)
ただし、ヒロインの凪を演じる清原果耶さんは最高に可愛いので、そこだけに目を向ければ健気な薄幸の美少女の物語なのです。( ;∀;)イイハナシダナー
かつてマッキーの名曲に激似だと騒がれた曲がこちら。
清原果耶を見るなら『ちはやふる─結び─』を絶対的におすすめします。