おそらく『ロスジェネの逆襲』の映画化権の争奪戦は水面下で凄まじい勢いで行われていたはずだが、TBSは頑なに地上波での続編の形を守り抜いた。
代わりに昨年『七つの会議』が映画化されたが、そちらもTBS製作だったし、キャストは堺雅人以外はほとんど『半沢直樹』のメンバーで固められ、完全に代案で用意されたかのような作りであった。おそらく東宝との間で相当な政治的やりとりがあったと思われる。
が、やはり視聴率40%の作品を自社ブランドとして守ったのは英断である。あの放送直後に半沢直樹を映画化を発表してしまっていたら…。おそらくその後に映像化された他の池井戸潤作品も、今ほど勢いは無かっただろう。視聴者の飢餓感を煽りつつ、『陸王』『ルーズヴェルト・ゲーム』『下町ロケット』『ノーサイド・ゲーム』を引っ張ってくる作戦は完全に成功だったと思う。
そして令和という時代の変化と共に、4月から『半沢直樹』が帰ってくる。これはほぼ間違いなく、初回からぶっちぎりの高視聴率を叩き出すはずだ。
誰もが成功を約束された続編だと思ってはいるだろうが、これは安易に映画化に持っていかずに、強かに計画を進めたTBSテレビと製作陣の勝利でしょう。