SOUTH PARKの住人

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映画レビュー「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」

ミッション:インポッシブル/フォールアウト」 (2018年)

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★★★☆

前作「ミッション:インポッシブル/ローグネイション」 に引き続き、クリストファー・マッカリー監督が続投。キャストもほぼ続投で、ストーリーを完全に把握するためには前作の観賞は必須。

 

ミッション:インポッシブルシリーズは今のところ1作目以外は全て劇場で観ており、なんやかんやで毎回しっかり楽しみにしている。ここまで追っている理由は、小学生の頃にビデオで観た1作目が衝撃的に面白く度肝を抜かれたからというところが大きい。2作目は大好きな「フェイス・オフ」の監督が撮ると聞いて親に頼み込んで2回も観に行ったくらい好き。

3作目以降は自分がそれなりの年齢になったこともあり、ワクワクドキドキとまではいかずわりと冷静に観てはいるが、4作目がまた1作目と方向性は異なるエンタメ大傑作に仕上がっており、円盤も買ってしまうレベルに好きだった。

 

そして3年前の5作目。シリーズ最高傑作と謳われていたので楽しみに劇場へ足を運んだのだが、これが個人的に不発…。ポスターで貨物機にしがみつくトムが前面に押し出されているところからもわかるように、トムのアクションスタント推しに舵を切ったのだ。信じがたいような超絶スタントは見応え抜群だが、一方派手な爆発やスパイギミックなどが減り逆に映像が地味になってしまっていた。

ミッション:インポッシブルシリーズは、ちょっと現実離れしたファンタジーな世界観を持っている。お決まりの変装マスクなんてのも完全に未来アイテムだし、1の宙吊りシーンのようなSFっぽい絵や、トンネルにヘリコプターが突入するようなありえないアクションなども完全に非現実的な演出だ。そんな痛快アクションの中で、リアルなサスペンス要素が織り込まれ、容赦なく味方が裏切ったり殺されたりする、その歪さが魅力であった。

 

※以下ネタバレあり

 

前置きが長くなったが、今作の「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」 は、監督が続投していることもあり、5の作風をより一層色濃く受け継いでいる。

今回は爆発シーンすらほとんどなく、徹頭徹尾「トムのスタントが凄い!」に終始している。もちろん人間がCG無しでやっていると思えばとんでもなく凄いことだし、2の崖登りみたいなトムの体を張るアクションも大好きなのだが、それもバランスがあってのことだ。SASUKEアクションばっかりになっても正直飽きてくる。しかも今作はまだ脚本が定まっていない状態で先にアクションシーンを撮影しており、ストーリーの流れもその現場で作り上げていたと言う。作ってる側もよく解ってないので、話はかなり意味不明である。

 

またキャストがほぼ続投していることからも、5作目から完全に本シリーズはチーム物になっている(厳密に言うと4作目からだが)。原作ドラマもチーム物だしそれは構わないのだが、なんだか今作は終始誰も死なないんだろうなという雰囲気が全開だった。

クライマックスの爆弾解除だって、あの場にレギュラーメンバー全員いたら絶対爆発しないなんてことは嫌でもわかってしまうし、ハラハラ感が薄れてしまう。いやまあお約束的に爆発しないなんてことはもちろんわかってるんだけど「もしかして爆発するかも…!」くらいのハラハラを感じさせてくれるくらいの工夫を入れて欲しかった。要するにイーサン・ハント以外はいつ死ぬかわからないくらいの緊張感を見せて欲しい。でも今作でやりたいのはとにかく超絶スタントで、撮影が危険すぎてトム・クルーズが死ぬかもしれないってのを見せようとしてくる。そうじゃねーだろう!!(いや凄いけど…)

全体的に比重がアクションに偏りすぎたことと、監督・キャストが固定されたことで展開に攻めが無くなってしまったように感じる。

 

気になるところばかり書いたが、アクション映画としては普通に面白かったです。観てる間は飽きなかったし、良かった点ももちろんある。

まず新キャラのウォーカー。肉弾戦は任せろと言わんばかりのゴリ筋キャラでヘンリー・カヴィルもスーパーマンらしくハマっていた。トイレでのハントとの連携格闘シーンは非常に燃えた!てかあのアジア人強すぎ。

序盤のワンカットでの上空からの潜入シーンも非常に見応えがあった(なんと本当に数千メートル上空からトムが飛び降りているらしい…馬鹿な…)。ハントが飛ぶ前に雷雨を見てひよるところが面白く、全体的にちょっとダサいのも魅力的だ。

後半のヘリでのチェイスシーンもトムが操縦して山間部を地面スレスレを飛んだりしており、ガチでトムが乗っている状態できりもみ墜落させたりしているらしい。いや、凄すぎるけどもうこれ何かわかんねーよ!

あとパリでハントらとうっかり対峙してしまう女性警官が超タイプだったので、彼女を今後も起用して欲しいと希望します。

 

とまあ、自分が前作で苦手だったリアル寄りの作風を今作でより広げてしまっていて、物語のおざなりさが気になりすぎてあまり乗り切れなかった…という結果になってしまあった。

オチを見る限り3部作っぽいので、次回作も監督は同じ?世間的にもこっちのほうが評判が良いみたいで、4作目寄りになることはあまり期待できない…けど観てしまうのは確実だが、もうちょっと遊び成分と攻めの要素を入れて欲しいと思うところである。